怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ホテルには大浴場というのがあるようなので朝から出かける。幸いほぼ貸切状態。露天風呂もあって、といってもビルの谷間に申し訳程度に空が見えるだけのものだが、それでも開放的で気持ちいい。GOTOで格安になるからこその贅沢で、ありがたいかぎり。

そしてモーニングは前日の徘徊から物色しつつ、ドンピシャとまではいかないがアベニューという店に目星をつけて行ってみた。繁盛しているし、姫路名物らしいアーモンドトーストもある。ラッキーなことに窓際の席に座れたしで言うことなし。サービス券が集まるほど何度も行くのは無理だろうが、もう一度機会があるといいな。

前夜に下調べしておいたのでバス乗り場もすんなり。そこそこ乗っていた乗客はだんだん少なくなり、北条へと向かう。二度と見そうにない車窓の風景は何の変哲もない地方の風景で、でもやはりここにしかない風景だ。

と呑気に構えていたのに、どうってことのない曲がり角で事故は起きた。

変なところで減速し加速したかと思ったら、やけに柱に近づき、運転手のああーっという小さな叫び声とともに横っ腹がぶつかって停まった。バスには何千回も乗ってるが、事故にあったのは初めてだ。やれやれという気持ちよりもうれしい気持ちの方がずっと強い。こんなレアな体験は望んでもできない。

運転手はすぐにバスを停めて乗客に向かって事故を起こしてしまいましたすみませんすぐ本部に連絡し指示を仰ぎますしばらく停車しますと謝罪した。乗ってるのは4人ほどだったが全員暇そうで、特に文句も出ない。ただ一人だけ中年男がああしたらこうしたらとやたら出しゃばる。何なんだと思っていたら、たまたま乗り合わせたバス会社社員らしい。30分ほど待った結果、現場検証があるのでバスト運転手はその場に残り、乗客は手配されて来た別のバスに移ることになった。4人ならワゴンくらいでも十分なんだが、いちおう決まりなのかバスが来た。まあこのあとバス停をまわるからかな。もともとはローカル線にふさわしい旧型だったのに最新型にアップグレードされたのには笑った。気を使うもんだなあ。後遺症対策なのか、車中で連絡先を聞かれた。おじいさんは自分の番号がわからないようだったので、僕の番号にかけてもらって対応。我ながらいいお客さんだな。

北条町に到着。けっこうな金額になるはずのバス代は無料にしてくれた。楽しかったうえに無料はありがたいな。

で、目的地Tobira Recordsへ。元生命保険会社のビルの2階がまるごとお店になっている。田舎町にはだいたいこういう保険会社向けに建てられたビルが残ってて、たいてい持て余されているもんだが、ここはうまく活用できているようだ。

入ると広々として風が吹き抜けてなんとも気持ちいい。こういう店は財布が緩む。ゆるむし、緩めたい。ここで買わなきゃなんとする。

店主のhakobuneさんとやりとりしつつ、いろいろ買い漁る。試聴させてもらったものたのになかなかそっちに食指が動かなくて申し訳なかったが、結果的にもジャケ買い直感買いがうまくいったので、やっぱりこういうのがいいのかも。なお、気になってた営業時間は、hakobuneさんが朝型のためとのことでした。なるほど。ほかにも面白い話をいくつか聞かせてもらい、中古と新譜で15,000円ほど。いい感じかな。これ以上買うと重いし。

また来たいけど車のない身には難しそうな立地、でも来たいなあ。いい店です。

残り時間はもちろん北条町散策。お昼にもさしかかっているが、そうお店は多くないし、チェーン店は外したいし。入ったのは、はりまのちっちゃな台所という蕎麦屋。タイミングが悪かったのか手際が悪いのか、かなり待たされた。カウンターで延々待たされるのは残念。ただし蕎麦はおいしい。これはよかった。天ぷらは残念。妻の天ぷらと変わりないというか負けてるかもしれない。ほかにもいろいろあるようだが、蕎麦だけ食べるのがいいかもしれない。それにしても待ったなあ。

あとはまた散策。広々とした酒見寺、境内を共有する住吉神社、入場料がかかるので塀の外からチラ見した五百羅漢、なによりいいのが古い街道筋。いいねえ。

なんせ暑いので限界はあるが、そうそう来れるとこでもないので歩き回った。途中便意を催し、コープさんのトイレを借りた。

時間を見て北条鉄道の駅へ。グッズを置いてたのでガチャガチャをやって、かさいのかさいさんというキャラクターのキーホルダーをゲット。

乗客は地元民が少しと鉄道関連っぽい中年というか老人たち。正直この鉄道関連が苦手なのだが、まあ僕も電車の写真などは撮ったので大差はないのかもしれないが、でも苦手。あと、運転士さんが超美人でびっくりした。

終着駅は粟生。本来はここで神戸電鉄かJRに乗り換えるのだが、それではつまらないので一駅歩くことに。一駅といっても1時間近くはかかったりするのだが、だからいいんじゃないか。暑さは少しマシになってきたし、帰路はわずかなのでがんばれる。

というわけで駅前を抜けて橋を渡り、田んぼの中の田舎道を歩く。こんなとこ歩いてる奴はいない。びっくりするぐらい馬鹿げてて楽しい。けっこうあっという間に葉多駅に着いた。これがまたポツンと佇むローカル駅でいい。ほんとに電車が来るのか疑わしいし、1日何人乗り降りするのかわからない駅。ここでぼーっと電車を待つ。目の前には田んぼ、そして野焼きの煙。

神戸電鉄湊川まで。もう暮れてきたので車窓風景はないし、湊川もだいたい店は閉まってる。ぎりぎり開いてる人工衛星饅頭を買って、あとは普通に帰宅。

人工衛星饅頭をトースターで温めて妻と食べた。