怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

昼からはじめましてのa-lab へ。正式名称はあまらぶアートラボとかいうらしい。行ってみると、完全に住宅地の中で、建物の間取りだってむしろ公民館に近い。アート用に建てたわけでもないようなのに建物は真新しいく、どういういきさつでこんなことになったのか。

今回の展示は「物語のものがたり」というもので、四人の作家を取り上げている。まずは蓮沼昌宏、そして坂口佳奈・二木詩織を見る。そしてメインのさわひらき。ネームバリューが全てというわけではないし、予算だとかいろんな要素はあるにせよ、やはり抜きん出て魅力がある。大山崎山荘で初めて見て以来、着実に地歩を固めているのにこういう場所でしかも独り占めできるなんて珍しい。しかもタダ。和室に寝っ転がってじっくり堪能した。ホワイトキューブではさわひらきの魅力が半減するので、ありがたかった。

続いて芦屋市立美術博物館へ。

駅から静かな道をけっこう歩く。もう何度となく通っているが、決まったルートはない。いつも適当で、そんな歩きかたができるのがいい。

今回は「art trip vol.03 in number, new world / 四海の数」という企画で、今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太という四人の作家が取り上げられている。面白いのは、それぞれにここの所蔵品とのコラボレーションが試みられていること。成否は別にして、小さな美術館ならではの面白いアイディアだ。1階で展開している今井祝雄はこのなかで最年長の作家だが、だからこそ年月の積み重ねを見せる作品が力を発揮している。1枚の写真に数十年の自分が映る作品なんて、この姿を逆算して始めたのだろうから、たいへんなことだ。感服した。

津田道子は森美術館で見た作品だが、あのときよりずっといい作品に感じた。周囲に絵画が映り込むようになっていることや、鑑賞者の数が少ないことなどいろんな要素はあるのだろう。もちろんあいちトリエンナーレの伊藤家住宅での体験を経たのも理由の一つだろう。

芦屋川駅前のセピアという喫茶店で休憩し読書。いろんな人が来ては去ってゆく。駅前の喫茶店ならではだ。往来するひとを受け止め続けるマスターというのは、こうしてみるとちょっと特殊な仕事に思える。

酒心館へ。酒蔵を利用したちょっとした観光施設のようで、ひとによっては魅力的に感じることもあるのだろう。

開場時刻過ぎくらいに着いたのだが、結構な行列で、皆さんの熱意を思い知る。そんなにか。僕は近くで見たいというわけではなく、いい音で聴きたいだけなので、そういう場所さえゲットできればよし。実際いい音だった。PA西川氏の腕がいいのはもちろん、ホールの音響が極上である。ぜひここで見たいという気持ちになれる会場だ。

席にいたらよく顔をあわせる仏教大のひとに声をかけられた。企画をやったりしたようで、熱心で気のいい若者だ。自分を振り返るとちょっと恥ずかしくなる。

最初が青葉市子。とにかく上手い。前から上手かったのだが、このところ磨きがかかったようで、絶品としかいいようがない。ものすごいね。

あまりにも感動したのでぜひあれをと物販に向かう前にドリンクで日本酒を注文したのが運の尽き、一足先に売り切れてしまった。仕方ないとは思いつつ、正直悔しくってしょうがない。ああ悔しい。よもやそんなに早く売れてしまうとは思ってなかった。ちぇっ。日本酒はおいしかったが自分が情けない。

次がゑでぃまぁこん。ゑでゐさんの声が全く出ていない。絶不調。本人もキャンセルしたいくらいだったろうがそうもいかないのがこの世界。辛かったろうと思うが、僕も聞いてて辛かった。青葉さんのサポートでなんとか形を作ったが、とても残念だった。

終演後さっと帰宅。昼は暖かだったが、寒さが身にしみる。