春の東京5日目(終)
予定時間の少し前に誰かの目覚ましで起床。少し前だからいいけど、遮音性なさすぎなのでそこはちょっと困る。その誰かさんたちが先に起きるわけだから、シャワーが塞がってしまい、ちょっと待つ。まあ大したことはない、荷づくりをしてればいいことだ。シャワーが空いたので浴びて、着替えてとりあえず1階のラウンジで朝ごはん。階段の上り下りが面倒だな。といって、なかなか来ないエレベーターを待つような宿も面倒だから、不満てわけでもない。
弁当を温めて食べ終え、そこにやってきた外国人がちょうどいい大きさの紙袋を捨てようとしてたので声をかけ使わせてもらうことになった。国際交流ってやつだ。サンキュー。
あとは402に戻って荷づくりを終わらせ、忘れ物がないか再確認して出発。ていうか、ここのスタッフは数人いるが、愛想の全くない男が1人だけいるな。べつに愛想はいらんけど、こっちが挨拶したら返せばいいのに。
銀座のコインロッカーは工事で場所が変わっていたが、駅員に聞いてなんとか。しかし近くにトイレがなさそうなので、それがちょっと困りそう。歯磨きをどこでするかだな。
銀座線で上野へ。
まず上野の森美術館でVOCA展。もう何度目かなのでだいたい雰囲気はわかる。喜多村みか、目、など数作家に見入る。喜多村みかは、なんでもない日常の光景を芸術に昇華できることを示している。これは大物かも。
VOCAといえばだが、マリアーネさん最近描いてるんだろうか。新作を見たいものだが。
わりとするっと見終わって、上野公園を歩く。
春うらら、花見で皆さん忙しそうだ。花見ねえ。花を見るのは好きだが、君らがやってるのは宴会でしょ。まったく。
そんな中を通り抜け、次は藝大へ。最近できたという藝大生の作品を売る店をチラ見して、気に入る作品はないからスッと出て、陳列館で「Count the Waves」展を見る。最年長がリー・キットあたりという若い展示。長谷川祐子氏が指導する学生の企画とのこと。なるほどそんな感じ。高名な作家の名前で釣りつつ若い作家でキュレーションするというやり方には嫌悪感もあるが、まあ演習だし。
根津駅へ歩く。いい季節だ。タクシーに乗ればだいぶ効率がいいのだろうが、タクシーが通るとこでもないし、初めて歩く道で天気もいいならこれでいいか。展示を見るためだけに東京にいるわけじゃないんだから。
本郷のトーキョーアーツアンドスペースで「霞はじめてたなびく」と題された企画。名前が変わる前から、ここの展示は良いときも悪いときもあるし、それが楽しみでもあるのだが、今回は力の入れ方がすごい。確実にいいんだなというのがわかる。実際そうだった。
本展は佐藤雅晴、西村有、吉開菜央の三人によるグループ展になるが、テーマが共通しているというよりはその感性に共通点がある。
吉開菜央は映像2作品を中心とした展示で、メインとなる「静坐社」が特に印象に残った。小さな音の拾い方、強調、音にうっとりする。もう一つの作品もリズム感がよく、気持ちよく見ていられる。ストーリーは特にないのに、ずっと見てしまうし終わってもまた見てしまう。ほかにも色々見てみたい。
西村有は平面絵画による構成。どうということもない風景や静物で、各作家1~2作品だけのVOCAでは印象に残ってない。しかし展示室2つを使っての展示なら本領を発揮するのだろう、切り取られた風景たちが新たに世界を構築している。見れば見るほど良くなってくる、これも優れた展示。
佐藤雅晴の福島尾行はピアノのインスタレーションが効いていた。
別室に置かれた作品含め、存分に堪能。図録を後から送ってくださるそうなので楽しみ。
駅に行く途中、ねむ瑠というラーメン屋で濃厚烏賊煮干中華そば(醤油)とかいうものを食べる。バイトが作って780円。独特の味にへぇ、と思う。
駒込から地下鉄で江戸川橋へ行き、Waitingroomでエキソニモ個展。お客さんも若いひと中心で、作品を売るための個展ではないのだろう。ギャラリーらしからぬ様相で楽しかった。エキソニモさん、初めて知ったのは国立国際美術館での「ゴットは存在する」だったが、ブレずにいい作品を作ってくれてる。
金曜にすっ飛ばしてしまった恵比寿のシス書店にてコレクション展示。小さな書店・ギャラリーだが、趣味がいい。庭園の図録を買うとチケットをくれるようで、先にこっちに来ればよかったな。
MEMで「戦後の浪華写真倶楽部」。
その下のスクールデレック芸術社会学研究所で寺崎百合子 賑やかな沈黙」。作品よりも印象に残ってしまったのが店番をしていた方で、どこの深窓のお嬢様かという超美人。美しいだけでなく上品で丁寧で、眩暈ほんとクラクラしてしまった。世の中にはこういう方がいるのは知っていたが、まさか近くで会話することがあるとは。いやびっくりした。こういう方の下男はさぞ幸せであろう。。とはて、
NaDiffの棚をつぶさに見るが、ここにも片山真理さんの作品集は見当たらない。海外の出版らしいから棚には並んでないのかな。なし
時間はないがここは外せない、最後に定番の原宿AMに寄って荒木経惟「霊安冬春」を見る。人形たちを据えた近作は老いた衰えた荒木の心境を語るようで、僕はこういうの好きなんだよな。荒木はヌードなんかをよく取り沙汰されるが、荒木の良さは独特の諦念や達観が表れた風景やオブジェにあると思う。いろいろあって以後ルこれはこれでよし。
やや遅刻でモーションへ。
入ったら、左右がたぶん始まったばかり。ライブは久しぶりだが、左右らしさは変わりない。
次が宇宙団。
その次がエミリーなので、空腹解消のため、前から気になってた横のケバブ屋でケバブサンドを食べる。辛口はケバブの風味が消えるのでイマイチかも。300円で手軽だし悪くないのでモーションに来たらまた食べよっかな。でも新体制のモーションに来ることがあるのか。、
戻ったらまだEmily likes tennisが始まってなくて、結局一番後ろで時間をつぶす。なんかウケてるんだけど、正直つまらない。これが面白いのかキミらは。
その次が余命百年なので前のほうに移動。余命、完璧ではないがまずいいライブであった。
そしてポップしなないで。最近人気が出てきたようで、僕もうれしい。ポップでキュートなのは変わらないが、そこにゴリゴリなロックが加わってきたような。ドラムが主張してもキーボードやボーカルが引かずに馴染んでるのはいい。それでもロックの
最後がKoochewsen。ベースの西平さんが本日でクウチュウセン脱退とのことで、たぶんファンは全員来てたのでは。この場に数年ぶりに見る俺がいていいんだろうか。すいません。そして西平さん、今は普通に男装でやってるんだな。
延々とアンコールが続く展開もあり得るかとビクビクしてたがそんなことはなく普通に終演。西平さんがお客さんひとりひとりに握手し見送っていたのが印象的。そういうのが似合うバンド、似合う人だ。
さてモーションを出て時計を見るとバスの時間には全然余裕あるので、とりあえず吉野家に行って牛丼とあさり汁を食べる。このあさり汁、たぶん1食づつパックに入ってるんだろう。身と殻の偏りがないのは却ってこわい。
食べ終わっても全然余裕があるのでここで歯を磨く。
余裕をもって店を出て、丸ノ内線で銀座へ。
コインロッカーの荷物を整理し、のんびり鍛冶橋の乗り場へ。道沿いに何台も夜行バスが停まっている。こんなにのんびりできるならいつものバスでぜんぜん間に合うのに、こんな時に限って取れないとは困ったものだ。
ところがここで問題勃発。乗り場付近が渋滞していて、バスの到着が遅れているとのこと。掲示板を見てると、10分ごとに何台もバスが来ては出発するようで、相当忙しいものらしい。慣れてることではあるだろうが、ちょっとしたことで遅延も起こるだろう。だいたい30分ほどの遅れになっているようで、もちろん早めもあれば遅めもあるが、結局30分ほど遅れて発車になった。途中ある程度遅れは取り返せる行程にはなってるだろうし、遅れる旨のアナウンスはなにもなかったことを信じるしかない。まあ遅刻はしないだろ。
係員に指示された席は窓際2列目、なのはよかったが、驚いたのはカーテンがないこと。寝てしまえばなにも気にならなかったので別にいいんだが、最近では珍しいかな。代わりにアイマスクが支給も珍しい。乗務員用なのか、前の席が空いてた(おそらく交代要員のもラッキーだった。