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吉田修一「横道世之介」読了。新聞小説らしさがあちこちににじみ出る。ストーリーの巧妙さも際立つ。かつての吉田修一にはこんな器用さはなかったように思う。残念なようだが喜ぶべきだろう。いい小説だ。どう表現していいかわからないが。してやられたような気もする。
朝ごはんのあと、すぐに出発。いつものことだが、結局読書しているだけで親孝行らしいことはやってない。でもそこに居るだけでいいのだと思って帰っている。あの年齢だから、元気に見えて悪いところはたくさんあるだろう。でもこれ以上どうしたらいいかわからない。あとで後悔するんだろうが、でもこうなってしまう。
黒崎まで送ってもらった。
もうじきなくなってしまうらしい井筒屋はまだ開いてなかった。僕にとって井筒屋といえば昔のあの建物で、その大食堂でお子様ランチを食べるのが我が家のごちそうだった。下りのエスカレーターに乗れなかったのも井筒屋だ。ほかにもいろんな思い出がある。いつの間にか井筒屋に行かなくなり、こうなってしまった。北九州を出ている僕がなにを言えるわけでもないけど、何もかもが変わってしまうんだな。寂しい。
これだけは変わらないかしわ飯を買って小倉へ。
荷物を提げてまずモノレールの駅でチケットを買ってから北九州市立美術館別館の「1968年 激動の時代」展へ。タイトルは如何なものかだし、見たことのある作品も多いのだが、期待を上回るものだった。
個々の作品よりも、まず1968年(ごろ)の時代感覚を訴えてくる構成で、僕なんか単純だからすぐその気になる。そしてその時代感覚に染められた目で見る作品の数々。その時代の熱量、決別、新しい時代の予感、変わらないもの。初見の作品は今後しばらく見られそうもないものもあったし、僕の持ってる本がいくつか展示されてたのもうれしかった。
日曜なのに人が少ないのはいつものことか。
いい加減お腹もすいたのでお昼を食べたかったが、ランチの営業を切り上げてたりしたのでそのまま田口商店へ。
赤い鳥「竹田の子守唄」280円カヒミ・カリィ「AK Is AK Is AK」480円を購入。安い安いと言われてきたが、最近はさすがに少し調整してきたかも。
あまり時間もなくなってきたが、新しい店にも行きたいので、Googleマップで見つけた199bnfという古本屋へ。
小さな店だが、棚は結構頑張ってる。この小倉でこういう本を並べるのは大変だろう。値段がないので聞いたら定価の4割。欲がない。本は買い取りというより貰っているとのことで、なにかと規格外。家具作りもやってるそうで、頑張ってほしいので荒木経惟「花陰」を。もう1冊くらい買えばよかったかな。でも荷物が重いんだよな。
もう時間がなく、もちろんゆっくりお昼ごはんという時間もなく、開き直ってブックオフをちょっと覗き見し旦過市場を通過。岩田屋という古い餅屋で蒸しパンを2つ買った。明日の朝ごはんにしよう。
もうギリギリなのでバス乗り場へ。シロヤでサニーパンとオムレットとを買い、ギリギリでバスに駆け込んだ。まあ数分は待っててくれるので大丈夫なんだけど、いつも待っててくれるとは限らないし。
車内でパンを食べて、これが昼食がわり。でも買いたてのパンはおいしかった。
明日から仕事の人も多いだろうから混んでるかと思ってたら全然で、こんなに空いてるのも珍しいくらい空いてる。拍子抜け。まあ寝心地はいいけど。