怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

誕生日もそこそこに全感覚祭。
昼前のハバナイに合わせて家を出る。
会場の構成は昨年と少し変わっている。去年ハードコアなライブをやっていたとこがフードスペースになって、少し遠いところに野外のステージができたようだ。昨年と同様、メインステージの後ろには観音像と煙突が見えるのが全感覚祭にふさわしい。多摩センターよりもこの堺の方がずっと釤全感覚釤だ。GEZANの面々は東京在住のはずだが、ある程度こちらで手伝ってくれる人がいるのだろう。事前寄付は今年もしてないが、でもこの素晴らしい祭を来年も楽しむには投げ銭をはずまなくてはならない。ボロフェスタのようにチケットを売れば採算は取れるだろうが、このロケーションでは無理だし、このロケーションでやりたいという気持ちを僕は応援したい。
晴天に恵まれて日中は暑いくらいで、屋内のライブがほっとするくらい。雨だけは勘弁、というのは主催も客も思っていただろうが、この暑さは想定外だったろう。
Have a nice day!はいささか食わず嫌いになってた。というのは、僕の中でパーティバンドというかノリだけで勝負みたいな思い込みがあったからだが、いざ見てみると遊佐さんの弾くキーボードがドリーミーでポップで、後ろのほうで見ている僕にも伝わってくる。前方は盛り上がってるが別にダイブ&ダイブというわけでもない。浅見さんのステージパフォーマンスもこなれている。これはまた見ようかなという気持ちになり、僕の了見がいかに狭いかを思い知った。
次はなにも決めてなかったけど、ホワイトステージのRAMZA。これがとてもカッコよかった。名前をちゃんと覚えていられるかが不安。
ブルーステージの児玉真吏奈さん。ライブハウスでの閉塞感から解かれた表情がよかった。音はかなりやりにくそうだったけど、児玉さんの努力のせいか見てる側は問題なし。青空を背景にした児玉さんは格別。児玉さんには楽しんでライブして、楽しくライブ見てほしいと願う。
Vampilliaはタイムテーブルから少し早めだったのか最初のほうを見逃したけど、イベントでのVampilliaは本領発揮。荒ぶるVampilliaが美しさを伴って、初見の客にも鮮烈な印象を与えたと思う。ベラドンさんは復帰したのかな。これからはこういう編成でやっていくんだろうか。
NOT WONKはまずまず。
そのあとの山本精一&くいだおれが壮絶だった。去年とは名義だけ変えてるが、弾き倒す山本さんを支える強固なバンドがものすごい。去年も相当だったけど今年もすごい。山本さんがひとりでギター弾くのもいいけど、このバンド編成が一番じゃないかと思う。
ブルーステージへ行くと、夕暮れの空の下でYan Conk / New Smithがライブ中。いなたい空気感がとてもよかった。
カネコアヤノバンド編成は初体験で、まあでもさっきの3人がよかったからそれを上回ることはできず。
続くPOPOがまたよかった。KK mangaのハマジが泥酔して再三邪魔するなか、まさにブルーでヘブンなライブ。この後に控えるテニスコーツを上回ってるんじゃないかという時間。
テニスコーツはもちろん鉄板。 POPOに負けない風格というかなんというか。最近はゲストをいろいろ迎えたライブが目立ち、二人だけでの濃密なライブを期待する気持ちには応えてくれないけど、これはこれで好きかな。
このステージは時間が押してたので、終わって帰るころにはレッドステージは静まり返っていて、それもなんかよかった。
物販もいろいろ出てたが、買ったのはNAZEさんのキーホルダー。既成のぬいぐるみを結束バンドで縛ったもので、先日のpulpでの展示で見かけて気になってた。うれしい。もちろん作品でもあるが、普通に使っていくのがいいんだろう。
また明日。
そして帰りに天下茶屋で降りて、てくてくと山本製菓へ。久しぶりだ。
こんな遅い時間なのでもうお客さんの気配はなく、白波多さん宇加治さんらもリラックスムード。ちょっとごめんなさいだけど今日くらいしかチャンスがない。
宇加治志帆+白波多カミン「否定と肯定、憎悪と祝福」という、やや大仰なタイトルの展示。宇加治さんのことはよく知らなかったので、興味はまず白波多さんがどういう具合にアートしているか。
山本製菓は工場跡をそのままイベントスペースにしていて、以前ライブを見に来たことがある。今回は2階から上でも展示をしており、隅々まで見て回った。廃工場の独特な空気と設備類が放つ存在感が独特で、この空間に負けない展示をするのは並大抵ではない。宇加治さんの作品はドローイングとコラージュ、そして大型のインスタレーション。むしろホワイトキューブで見たほうが作品の色が立つような気がする。白波多さんのほうは環境音のコラージュで、場所の力を借りてよく馴染んでいたと思う。二人のコラボというよりはそれぞれが山本製菓とコラボしている趣きがあった。そういう在り方も面白い。30分もあれば充分かと思っていたが、ここに身を置く心地よさで全然足りず。行く日がないとはいえ失敗だったかも。しかも全感覚祭で散財して、白波多さんのカセットテープを買えず。4日のベアーズに賭けるしかないが、無理言ってすいません。
動物園前まで歩いて帰宅。